TOYOTA MR2 ( W10- )
MR2(1st/W10系)
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生産期間
1984~1989
1st
量産型ミッドシップの草分け的存在
1980年代前半、トヨタのスポーティカーといえばセリカだった。当時ブームだったスペシャルティらしい斬新なデザイン性はもちろん、ある程度の実用性も確保されており、多くのユーザーに愛されていた。そんな時代、1984年に登場した久々の2シータースポーツがMR2である。かつての名車であるスポーツ800や2000GTとは異なり、当時の量産車では極めて稀なミッドシップレイアウトを採用したのが、MR2の最大の見どころ。小型のミッドシップモデルは、フィアットX1/9やポンティアック フィエロなどがすでに存在していたが、日本ではMR2が初である。
プラットフォームは、当時のカローラ系をベースに設計され、エンジンも横置き搭載。しかし軽量ボディの恩恵で、走りは小さなスーパーカーと呼べる秀逸なものに仕上がっていた。当初のエンジンは、1.5L 直4DOHC「3A-LU」と1.6L 直4DOHC「4A-GELU」の2機種。とくに後者は、グロス値で130psを発生し、1トンを切る軽量ボディには十分以上のパワーをもたらした。1986年のマイナーチェンジでは、新形状のバンパーや大型スポイラーの採用でよりモダンになり、精悍なルックスを獲得。さらにスーパーチャージャー付き1.6L 直4DOHC「4A-GZE」が追加されたこともトピックである。ネット値で145ps・19.0kgmという高出力・トルクは、ひとクラス上のモデルを打ち負かすほど強力な加速が味わえた。1987年の改良では、サスペンション特性が見直されると同時に、リヤスタビライザーやBSポテンザRE71などの装備を含む「ADパッケージ」を設定し、スポーツカーらしい進化を遂げている。
なおボディタイプはハードトップに加え、Tバールーフも設定。こちらはカジュアル志向のユーザーに好まれ、この方向性は1989年に登場した2代目や、その後継のMR-Sにも受け継がれている。初代MR2はコンパクトスポーツカーの可能性と方向性を模索した、80年代スポーツカーの申し子と呼ぶに相応しい、新時代を感じさせる1台だった。
GENERATION
MR-S (1999年~2007年)
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クーペ ボディから一転し、小型オープン2シーター化。名称もMR-Sに変更された。1.8L 直4を搭載。
2代目MR2 (1989年~1999年)
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ボディサイズを拡大し、洗練されたスタイルの2代目。最上級モデルは2.0Lターボで245psに達した。
初代MR-2 (1984年~1989年)
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国産初のコンパクトミッドシップスポーツの初代MR2。安価で機敏な走りが魅力のモデルだった。