一般的にミドルクラスと呼ばれるDセグメントは、全長およそ4600mm～4800mmのボディを持ち、排気量は2.0L～3.5L前後のクラス。ハッチバックが主流のB～Cセグメントとは対照的に、Dセグメントはセダンやステーションワゴンが中心となるが、中にはクーペやカブリオレも存在する。そのクーペボディに400馬力オーバーの高性能なエンジンと鍛え上げられたシャシーを与えたモデルは、リアルスポーツカーに遜色のない走りを誇る。その代表選手がBMW M4クーペで、サーキット走行もこなせるポテンシャルを持ち、このセグメントをリードする。このカテゴリはかつて日産 スカイラインGT-Rが君臨していたが、現在は欧州プレミアムブランド、特にアウディ、BMW、メルセデス・ベンツが主流となっている。また、レクサス RC Fのようなモデルも参入し注目を集めた。基本的にはDセグメントのクーペがベースのため、それなりの実用性を備えていることも長所。これより1サイズ上のEセグメントがベースのクーペは重量が重く、グランドツーリングカーとしての性格が強くなるため、このクラスの高性能スポーツクーペは、乗用車ベースのモデルとしては最もスポーツ性が高いと言えよう。ただし参入メーカーが少なく、現在はラインアップが減少傾向にある。